ブログトップ
東京旅レポ *第2話*  by 沙月さん
二日目
朝食はバイキングと思い込んでいたら、一人ずつご丁寧に給仕して頂くスタイルだったのでちょっと驚き。今までの東京旅行では、無条件に朝食は珈琲で憂鬱でしたが、ちゃんと美味しい紅茶が頂けたので感激でした。クロワッサンは焼き立てだし、ジャムも五種類ぐらいあって、正に至れり尽くせりです♪
しかしスクランブルエッグをナイフとフォークで上品に食すというのは意外に難しく、オムレツを選べば良かったと『石狩少女』の悠紀子のように後悔してみたり。

二日目は、回るところが多く実にハードなスケジュール。まずは雑貨カタログで杉浦さやかさんが紹介されていた四ツ谷の教会グッズのお店、ドン・ボスコ社へ。
杉浦さんの仰る通り、ノスタルジックで乙女度の高い教会グッズは私も大好き。鼻歌でハレルヤコーラスなど歌いつつ、勇んで訪れてみると決して広くない店内にひしめくように並べられたロザリオや宗教画の絵葉書やメダイの数々!御絵カードなんて百種はあったでしょうか。
余りに真剣に選びすぎ、遂には冷や汗が出て目眩がしてきたので、ある程度のところでお買い物を切り上げました。外に出ると丁度、正午だったので教会の鐘が鳴り響いていて、何だか異国の地に居るような気分に。


次の目的地は、言わずと知れた高円寺の名曲喫茶ネルケン。
ヌマ伯父さんの本で存在を知って以来、何年も憧れつづけたお店です。
しかし、これがまた見つからず閑静な住宅地や商店街、怪しげな裏通りを一時間近くも徘徊する羽目に(泣)余りに見つからないので半分、諦めかけていると、まるで発見されるのを厭うかのように、慎ましやかな看板と重厚そうな木の扉がひっそりと佇んでいるのが視界の隅に入りました。

敬意を抱いている人に初めてお目にかかるときのような、一抹の緊張感をともに扉を押して中に入ると、まずその仄暗さに驚かされました。その日は曇りで、決して明るくはなかったのですが、それでも目が慣れるのに少し時間がかかるほどです。

しかし、次第に店内の様子が見えてくると、そこが私の期待を遥かに上回る、素晴らしく素敵なお店であることは明白でした。
琥珀色の洋燈に静かに照らし出された壁の油絵も、エデンで使われているものに何処か似ている古い木の卓も、少し色褪せた紅の天鷺絨張りの椅子も、鼻孔を満たす古い建物独特の香りも、私にはたまらなく愛しく思われるものばかり。
何より、聖堂風の高い天井から洪水のように降り注いでくるクラシック音楽の洪水には圧倒され、神聖ささえ感じさせられます。まるで音の一つ一つが確かな重さを持って、心臓に直接響いてくるような感覚。ああ、これが本来の名曲喫茶というものなのかと深く感じ入りました。

それにしても猥雑な大都会の片隅に、中世の古城の如き古雅な趣を湛えた、こんな静謐な空間が残されているなんて奇蹟的ではないでしょうか。
紅茶とクッキーを頂き、美しい洋燈の灯を惚けたように眺めて過ごす、正に至福のひととき。余りに居心地が良すぎ、一日中でも座っていたいくらいでしたが、後の行程に差し支えるので小一時間ほどで重い腰を上げる。帰り際、感極まって店主である上品な老婦人に、いかにこの店を気に入ったかを告げ、次の東京訪問の際にも必ずここに立ち寄りますとお約束すると大変喜ばれ、暖かな笑顔で送り出してくださったことは今でも忘れられない大切な思い出です。


まだ半分、夢の中に居るような心地のまま吉祥寺へ移動。
お目当ては、輸入文具専門店ジョヴァンニ。イタリアの職人たちが中世から変らぬ製法で作るインクや羽ペン、羊皮紙などが整然と並ぶ店内は正に、ヨーロッパ貴族の書斎といった趣。お手紙に封するための蝋と印象の品揃えも充実しており、ちょっと欲しくなってしまいましたが不器用な私では絶対、上手く使いこなせそうにないので諦め、代わりに銅版画風の精緻な絵柄のスタンプを山ほど買い込む。王冠柄に少女柄、ヴィクトリア朝の貴婦人柄など、乙女心鷲掴みの品揃えに見事ノックアウトされました(苦笑)

吉祥寺は若者向けの店がひしめく街かと思っていましたが、意外に良い感じの喫茶店や古そうなお店も、お洒落な雑貨屋さんと共に混在していてなかなか楽しかったのでいつか、もっとゆっくりお散歩してみたいです。喫茶ボアも東郷青児の包装紙を販売していたのを購入しただけで、お茶を飲んでいる時間は無かったのが心残りでした。


その後は慌ただしく京王井の頭線に乗り換え喫茶店(正しくはミルクホールなのだそうですが)宵待草へ。井の頭公園の目の前なので、流石の私も迷わず到着。
しかし八月閉店が決定しているためか、決して広くない店内は完全に満席状態。少し待っているとやっと空席ができましたが、常連らしきお客さんが引きも切らず訪れ、とても長いできそうになかったので、焼き立てに生クリームが添えられた、美味しいバナナケーキを平らげるとすぐさま退却。童話に出てくる少女の夢のようなお家のような、ひたすら可愛いお店、もっと早く訪れておけばゆっくり過ごせたのにと残念に思いました。


夕食は松栄亭の洋風かきあげと南瓜の冷製スープ。二年前と同じ席に座って、しみじみと頂きましたが、やはり洋風かきあげを言葉で形容するのは不可能。とにかく一度食べてみてくださいとしか言いようがありませんでした(笑)




ps.
次はいよいよ感動の最終章!
臨場感溢れる場面展開に思わず手に汗にぎります。
読み終えた後の、心地よい体の火照りと腕の痛みはいったい何なんでしょう・・・?!

沙月さんのように東京中のお店を回ってみたい。
そんな欲求にかられる素晴らしい最終章です。
アップは今週末。乞うご期待!!
[PR]
by browns_cafe | 2007-07-31 21:00 | カフェ/喫茶店 | Comments(1)
Commented by 沙月 at 2007-08-01 20:06 x
ちゃありいさん、昨夜のうちにレポ2話をUPして下さっていたのですね!?よもやここまで早くして下さるとは思いませんでした。平日はなおのこと、お忙しいでしょうに本当に有難うございます・・心からお礼を申し上げます(感涙)
しかし2話は1話に輪をかけて長ったらしいですね・・(苦笑)これを入力されるのは、どれだけお手間だったか想像するまでもありません・・本当にお疲れ様でございました。空想の世界ではありますが、珈琲でもお淹れして(・・紅茶ほど美味しく淹れられる自信はあんまりありませんが・・)ここに置いておきたい気分です(>_<)また皆様に少しでも、楽しんで読んで頂ければ良いのですが・・。
それにしても「感動の最終章!」「臨場感溢れる場面展開!」とのご解説には、思わず赤面冷や汗です・・嗚呼、お恥ずかしい・・!とてもとても、そんなふうに言って頂けるほど劇的でスリリングなレポではありませんよ~(@_@;)
勿論、素晴らしい出来とちゃありいさんのお褒めに与ったのはとても光栄ですが(^^;
<< 東京旅レポ *第3話* by ... 東京旅レポ *第1話*  by... >>



  管理人ちゃありぃ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31