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カテゴリ:カフェ/喫茶店( 100 )
モトマチ喫茶
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神戸元町と言えば、日本で初めてコーヒーの店頭売りが始まった街なのだそうだ。
そんなコーヒーの街「モトマチ」を店名に冠した喫茶店が、セレクトショップの点在するトアウエストの外れにある。

レンガをあしらった昭和の佇まいは、少し前ならどこの街にも一つはあった喫茶店の風景なのだけれど、この日訪れた「モトマチ喫茶」は少々違っていた。
ガラスに貼られた「モトマチ喫茶」の切り文字がほんのりポップで、昭和喫茶としての渋さだけではない、初々しさが漂っていた。


ドアを開けると、カウンターの奥にマスターの姿が見えた。
とても感じのよいマスターで、一気に気持ちが柔らいだ。

店内には近所のショップ店員と思しき若い女性が一人。
ぼくはこの女性の長い髪と向き合うように窓際の席についた。


カウンターのマスターに小さな声で「・・ブレンドコーヒーを願いします。」と告げた。



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店内の設えを見渡して、以前、昭和喫茶を巡っていたときの事を思い出す。
あの頃はどきどきして、頭がくらくらしたが、モトマチ喫茶はどこか“もてなし”がゆるやかでとても居心地がいい。


カウンターでは、ぼくの注文したコーヒーがドリップされていた。
丁寧な作業には全く無駄がない。コーヒーを淹れる所作というものはいつ見てもカッコイイ。

“なんだかんだ言っても、喫茶店はこうじゃなくっちゃ・・”、と日々感じているのだけれど、この当たり前が今では貴重なのかも知れない。




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コーヒーが運ばれてきた。

琥珀色にほんのりした赤みのグラデーションが美しいコーヒーには、小さなコロンが一つ添えられていた。その昭和のおやつが、古いノリタケのカップによく似合う。

コーヒーは、苦みが立つ豆が使われていた。
マスターに聞いてみたら、GREENS coffee Rosterの豆を使っているとのことだった。



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狭い店内なのだけれど、窓から差し込む光で“いろいろな場面”が見え隠れする。

緑色のシート、細工の入った木製の仕切り、テーブルに置かれシュガーポットと・・どれを見ても、愛おしいさが伝わってくる。


「小さな目立たない店ですが、常連で来て下さる作家の方々がいろいろ多方面にご紹介いただいてるみたいで・・・」
と口コミでこの店の評判が広がっているのだそうだ。


ジャズが流れるレトロな昭和喫茶は、やはり他では味わえない、オンリーワンの魅力がある。
ファストカフェ全盛の今、ちょっと一人になれる居心地のいい喫茶店が元町にはある。




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●モトマチ喫茶
  神戸市中央区北長狭通3-9-7 TEL078-778-0727
  open:12:00-21:30
  close:月曜日





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by browns_cafe | 2010-10-03 13:42 | カフェ/喫茶店 | Comments(12)
RAI CAFE
久しぶりに栄町を歩いた。

何度となく歩いた栄町も、注意して見ると、いくつかの店ができ、いくつかの店がなくなっていた。

栄町は大好きな街なのだけれど、男一人で入るカフェとなると、なかなかよい店がない。
大御所ALLIANCE GRAPHIQUEは、日曜カップルと観光客で埋め尽くされているし、BERETは、女子カフェゆえ近づき難し・・なのである。


そんな栄町で唯一、僕が落ち着けるカフェがある。
榮町ビルディングのRAI CAFEである。



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“カフェは空気感が大事・・”みたいな価値観が僕にはあって、要するに雰囲気重視なのだけれど、このRAI CAFEには“空気感”があると以前から感じていた。


見慣れた榮町ビルディングを二階に上がると、廊下の奥にランプに照らされた看板が見える。古いビルの雰囲気がそのままカフェに続いていて、初めて行ったとき心臓がドキドキした。


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クラシックの流れる店内は何とも落ち着いた雰囲気。天井に吊されたアンティークのシャンデリアがぐぐっと大人のカフェの匂いを醸し出している。

窓に沿って設えられたカウンターは、どことなくトリトンカフェにも似ていて、ある種ストイックな神戸スタイルなのかと思っている。



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ここに来ると何も考えずにチャイを注文する。
グラスに入ったベージュ色の液体が、この店の雰囲気によく合う。



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以前オーナーにこの店のテイストについて聞いたことがある。

「店に並べているアンティークはフランスで買い付けました。アルゼンチンにも良いモノがあるらしいので、次回は南米へも・・・」

壁際に鎮座する大きなシェルフもどことなくラテンのテイストを感じる。



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さすがは神戸。

異文化がオーバーラップするとこんなにも素敵な“空気感”が生まれる。



●RAI CAFE / ライ カフェ
   神戸市中央区栄町通3丁目1-7
栄町ビルディング208号 TEL078-331-6228  
   open
:12:00~21:00 (LO.20:30)
   close:
木曜日




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by browns_cafe | 2010-09-26 20:42 | カフェ/喫茶店 | Comments(10)
SONGBIRD COFFEE
京都は散歩の街なのだけれど、散歩の途中にホッとできるカフェがないと、どうも足が進まない。
堀川通りは、二条城こそあれ、なかなかいいカフェがないと思っていたら、堀川端にとっても素敵なカフェを見つけてしまった。



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川沿いに立つ白いビル。近づいてみると、レトロなシェードが可愛い外灯の下にピンクでデザインされた「SONGBIRD DESIGN STORE. 」の文字が見えた。

「こんなん、めっちゃ好み・・・」
とトキメキながら、狭いドアを開けると、壁には日本地図のオブジェ、階段の上にはミッドセンチュリーな椅子がさりげに置かれていた。



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またまた「こんなん、めっちゃ好きなんですけど・・・」
と、人の気配を全く無視して店内を見渡していたら、カウンターの奥にいたお店の女性に
「お食事ですか〜♪」と声をかけられた。

この予期せぬ“タイミングのズレ”に、
「・・・ぇ、ッ・・ええッ・・」と思わず生つばを飲み込んだが、いやはや何とも恥ずかしかった。

「・・ココってカフェですよね??」
「ええ、・・どこでもどうぞ・・!!」

そう言われるがまま、二条城の見える窓際の席につくことにした。



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改めて、店内を説明すると、元事務所らしき広いスペースにいくつかのテーブルが置かれ、その上には雑貨や文房具、食器などが並べられている。

そして、あちこちに「G.I.ジョー」のフィギュア・・・


遊び心たっぷりなのだけれど、この店のオーナーは元IREMONYA Design Labにおられた方で、このビルでデザインしたプロダクトを販売・企画する傍ら、カフェを開いているとのことであった。



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カフェスペースに使われているテーブルや椅子は箱形のすっきりしたデザインで、色合いもおしゃれで、さすがはデザイン事務所のカフェという感じがした。


お昼過ぎであったため、サンドイッチとコーヒーを注文した。
コーヒーは、この店オリジナルの4種類のブレンドが用意されていた。

かもがわカフェ、六曜社、名古屋の吉岡コーヒーと、どれも本格的な物ですごく悩んだが、結局、最後の一つ、岐阜の有名カフェ、シェルパコーヒーのブレンドを注文することにした。



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コーヒーもサンドイッチもとても美味しかった。

お店の人も店の雰囲気ものんびりしていて、この適当な“ゆるさ”が何とも心地良い。



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初めての京都デートで、二条城を見た帰りに彼女をそっとエスコートすると、きっと喜ばれるに違いない。ふとそんなコトが頭をよぎった。

京都、堀川の初々しいカフェ・・・





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●SONGBIRD DESIGN STORE / ソングバード デザイン ストア
   京都市中京区竹屋町通堀川東入ル西竹屋町529 TEL 075-252-2781
   open:11:00~20:00(cafe12:00~)
   close:木曜日
   http://www.songbird-design.jp/






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by browns_cafe | 2010-09-05 16:49 | カフェ/喫茶店 | Comments(8)
ソラノネ
この日は午後から雨が予報されていたが、雲間からは太陽が見え隠れしていた。
びわ湖トリップも後半に差しかかり、時間もすでに午後4時を回っていた。

新旭の水鳥観測センターで、湖岸の風景を眺めていたら、隣で望遠鏡を覗いていたIさんが、「風がすごく気持ちいいね。」と僕につぶやいた。


風が気持ちいいね・・

実のところ、僕はIさんにいろんなことを教えてもらっている。

流星群のこと、月のこと、風のこと・・

Iさんは自分のことを「森ガール」と言っているが、彼女のひと言で、目の前にぱぁ〜っとイメージが広がることがある。




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「時間ぎりぎりやけど、畑一面のひまわり見に行けへん・・??」

僕は腕時計に目をやり、Iさんにそう告げた。




比良山系は、びわ湖を包むなだらかな山脈だが、そのすそ野には、貴重なびわ湖の自然が残されている。田んぼ、里山、広大な畑と、山の向こうに京都の街並みがあるとは到底思えないくらいの豊かな自然が残っている。


地図で“ソラノネ”の場所を確認した。

“青柳で右折し、田中の交差点まで直進・・・”
頭の中で何度も地図を確認するように車を走らせると、いつしか道路は深い山道に変わっていた。


「すごいところやね・・」

さすがのIさんも少々不安な様子であったが、風よけの杉林を抜けると、目の前に広大な畑の風景が広がった。

ソラノネ』と書いた小さな看板を目印にハンドルを切った。




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古い農家の敷地に車を寄せると、写真で見たソラノネの建物が見えた。

広大な畑、その背後には大きなカンバスのような空に夏雲がむくむくと沸き上がり、低空の巻雲がわずかに秋の気配を感じさせていた。




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ソラノネ食堂に入ると、スタッフが閉店の準備をしていた。

時間は、午後4時50分。
無理を言って、ブルーベリージュースを2つお願いした。


「どの席になさいますか・・・?」

スタッフの言葉に一瞬とまどったが、畑を見渡せるデッキに座ることにした。



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ブルーベリージュースが運ばれてきた。
一口飲むと甘酸っぱい夏の味がした。


「あぁ〜、気持ちがいい・・」

Iさんは、遠くに目をやり、そうつぶやいた。
それぞれに目の前に広がる風景を描写した。自然に言葉が出てきた。




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「すこし畑を歩いてみない?」と僕はIさんにそう提案した。

手入れの行き届いた畑には、ブルーベリーが整然と植わっていた。
Iさんはその実を一つ取って口に含んだ。


「あッ!ミツバチ・・??」

Iさんの指さした先に、せいろを重ねたような養蜂箱を見つけた。




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お目当てのひまわりは太陽に向かって一斉に花を開いていた。

「わッ〜!すごい!すごーい!!・・でもちょっと気持ち悪いかも・・」

「そういえば、サングラスを架けたバラエティショップのヒマワリみたいやね・・」と、僕は腕を上下させておどけて見せた。

思わず、Iさんと僕は顔を見合わせて笑った。



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黒々とした土、柔らかな空気と風、古い農家、濃緑の山々、そしてどこまでも青い空。

閉店時間の5時はとっくに過ぎているのは分かっていたが、いつまでもここで風を感じていたいと思った。



僕はここに来て、自然を豊かに感じ取れるIさんの感性にホンの少し近づけたような気がした。
ホンの少し“空の音(ソラノネ)”が聞こえたような気がした。



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●ソラノネ KINOKUNIYA
   滋賀県高島市安曇川町田中4942-1
 TEL0740-32-3750

   open:10:00−17:00
   close:木曜日







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by browns_cafe | 2010-08-21 00:36 | カフェ/喫茶店 | Comments(12)
vokko
楽しいことが待っているから、辛い仕事もやり遂げられる。
いつの頃からか、こんな生活が身についてしまった。

そんな日々の生活の中で
「夏休みになったら、びわ湖のカフェへ行こう・・・」と思い立ったのは、長雨が続く6月のことだった。

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さっそく、いろんな情報を頭に巡らせながら、“楽しみのストーリー”をイメージすることにした。


“大阪を8時30に出発。11時に湖畔のカフェでモーニング・コーヒー・・・”
“ランチの後は湖北のパワースポットをドライブし、大地が広がる畑のカフェへ・・・”

レストランの場所を地図で確認し、高速道路の移動時間を予想する。


作業はとても楽しいものであった。考えるだけで、わくわくした。

無理をしてボルボを買ったのも、こんな楽しみを実現したかったから。気分はもう夏の風がそよぐ、びわ湖に向かっていた。




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vokkoは、びわ湖の畔にある雑貨店を併設したカフェである。
彦根ICから湖岸道路を南下し、道路を少し脇に入ったところにあった。

広い駐車場の奥に1950年代の古いフィアットを見つけた。


「きゃッ!ステキ・・」

この日、無理を言ってついて来てもらった助手席のIさんの声に、僕も一気にテンションがあがった。


小さな“おうち”のような店舗は見るからに居心地が良さそうだった。
屋根の上には草が茂っていた。


デッキの奥にあるドアを開けて中に入った。

白く塗られた壁に日差しが美しく差し込む店内には、雑貨に混じって、アンティークの道具などがさり気なくディスプレイされていた。



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カウンターの奥で準備をしているショートカットの女性と目があった。

「こんにちは。素敵なお店ですね・・・」
「少し雑貨を見たいので、先にコーヒーをお願いしていいですか?」

そう言って、メニューの中からヴォッコブレンドのアイスコーヒーを注文した。

コーヒーは鳥のイラストが印象的な赤い実コーヒーの豆が使われていた。



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カフェスペースは、カウンター席とテーブル2脚だけのミニマムなもので、湖畔を眺める窓際には2人架けのソファーが設えてあった。

この席は一等席に違いないが、僕たち2人は店内と湖畔の両方を見渡せるテーブル席に着くことにした。



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「エアコンなのに、自然の風がながれているみたい・・・」
Iさんがそうつぶやいた。

「そうでしょ・・いつもはガラス戸をオープンにして自然の風を楽しんでもらってるんですよ。」とお店の女性がうれしそうにそう話してくれた。



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香ばしい香りの立つアイスコーヒーを飲みながら、滋賀のカフェのこと、大阪のカフェ情報など、お店の女性とどんどん話が広がっていくのが楽しかった。



時間はお昼に近づいていた。
カフェを出て、Iさんと浜辺を歩くことにした。

「ネリーちゃんをつれてくればいいね。」

家で留守番をしている愛犬ネリーのことを思いながら、僕は小さくうなずいた。


2人で浜辺を歩く。
びわ湖から流れる風が心地いい。
遠くに水遊びする子供たちの歓声が聞こえる。

vokkoはそんな旅のカフェとして、心地よい風をまとって素敵な想い出を作ってきたに違いない。


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次の日、Iさんからメールが届いた。
「ワタシも写真ほしいです。いつまでも忘れたくない風景だから・・・」

彼女のひと言こそ、この vokkoにはふさわしい。



●vokko / ヴォッコ
  滋賀県彦根市柳川町207-1 TEL 0749-43-7808
  open:11:00~19:00
  close:木曜日





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by browns_cafe | 2010-08-14 10:40 | カフェ/喫茶店 | Comments(14)
喫茶葦島
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梅雨明けの京都は、祇園祭のクライマックスを飾る山鉾巡行が行われていた。

えんやら、やー♪”というかけ声と鐘の音を節回しに巡行する山鉾の動きは、その一つ一つが何ともエレガントに見える。



阪急四条駅で降り、人波をかき分け三条通りの角にあるお目当ての「喫茶葦島」へ向かった。


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河原町通りは観光客でごった返していたが、ビルの5階までエレベーターで上がると、そこは喧噪とは無縁のとてもスタイリッシュで涼しげな空間であった。



L型の広いカウンターの向こうに、人の良さそうなオーナーの佐々木さんの姿が見えた。


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この日は祇園祭ということで、河原町通りに面する大きな窓が開け放たれていた。
そこからは、山鉾の引き手が連なって働く蟻のように見えた。


窓に近いカウンターの一番端に腰を下ろした。

白木の幅の広いカウンターはコーヒーショップとしてはかなり贅沢な造りで、ゆったりとコーヒーを味わうことができる。


「葦島ブレンド」を注文した。

5種類の豆を日によって配合を変えています。”と佐々木さんがおっしゃっていたが、かなりコクがあって、深みのある味わいにびっくりした。

すぐ近くの六曜社とは全く趣向の違う美味しいコーヒーだと思った。



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窓の外から、“えんやら、やー♪”のかけ声が聞こえた。
身を乗り出したら、立派な山鉾がゆっくりと動き始めるのが見えた。

それにしてもこんなスタイリッシュな喫茶店でコーヒーを飲みながら山鉾巡行を観覧できるとは・・・


この感動をどうしても記録しておきたくて、カップを持って写真を撮った。


エアコンの効いた室内で、美味しいコーヒーを飲みながら祇園祭を眺める。

何と優雅なひとときか・・・



●喫茶葦島
  京都市中京区三条通河原町東入大黒町37 文明堂ビル 5F TEL075-241-2210
  open:11:00~21:00
  close;月曜日


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by browns_cafe | 2010-07-17 21:54 | カフェ/喫茶店 | Comments(6)
cafe nest / コーヒーにまつわる今日の出来事


パークサイドと言うと、真っ先に思い浮かぶのがこのcafe nest
そば切り蔦屋さんのとなり”というと「そうそう・・」と思い出す方も多いと思う。

今のようなコーヒーブームの以前から美味しいドリップコーヒーが飲めるカフェとして、知る人ぞ知るのコーヒーの名店である。

ぼく自身、桜の咲く頃、樹々にセミの鳴き声が連なる暑い夏、イチョウが夕陽に光る秋の日と、思い出したように足を運んでいた。




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古い長屋を改装した店内はいつ来てもホッとした気分になる。

銅座公園を望む大きなガラス戸からは、緩い午後の日差しが差し込んでいた。


この日は地下鉄谷町四丁目の駅でHさんにばったり会って、立ち話も何なのでと言うことで、パークサイドのcafe nestに行くことになった。


Hさんとは2年ぶりの再会であったが、いつの間にか2児のママになっていた。


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店内に人は無し。Hさんは内を向いて、僕は外を向いてテーブルについた。


お店の女性がメニューと水を運んできた。

僕が、「ここのお店はコーヒーが美味しいですよ」と言うと、
Hさんは「じゃ、ちゃありぃさんのオススメのコーヒーにします。」
とコーヒー選びがぼくに回ってきた。

とっさに“イルガチョフのモカ”が頭に浮かんだが、上品な苦みが印象的なブラジルのカップ・オブ・エクセレンスを注文することにした。



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運ばれてきたカップ・オブ・エクセレンスはとてもマイルドで美味しい一杯だった。

Hさんもとても美味しそうにコーヒーを飲み、
「ケーキもたべよっかな・・?」と、にっこり笑って、またメニューを開いた。


こういう“カフェな関係”はとても楽しい。

遠慮なく好きなおやつと美味しいコーヒーを楽しめるHさんと僕はとても良い距離感なのだと思った。



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外に出ると雨は止んでいた。
2人並んで、公園の回りを少し散歩した。

170センチのしなやかな長身、長い髪、身体にフィットしたTシャツとジーンズ姿の彼女はとても魅力的で、一緒にいるとドキドキした。


彼女は久しぶりの僕に近況を説明するように話を続けた。
”子育てのこと、マンションを買ったこと、共通の友人のこと・・・”

このまま何時間でも散歩が出来そうな楽しい時間だった。


信号まで来ると彼女は時計に目をやった。

「ごめんなさい。コーヒー美味しかったです。ごちそうさま・・・」
「また2年後に会いましょうね・・」

そう約束して、彼女は地下鉄の階段を下りていった。



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パークサイドのカフェと
コーヒーにまつわる今日の出来事・・・




●cafe nest / カフェ・ネスト
  大阪市中央区内久宝寺町2-7-12 TEL06-6764-6380
  open:10:00~21:00
  close:木曜日



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by browns_cafe | 2010-07-13 22:32 | カフェ/喫茶店 | Comments(12)
tea room MADOMADO / マドマド
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神戸は一人あたりの紅茶の消費量が日本一なのだそうだ。

そんな神戸の紅茶の消費に一役どころか二役も三役もかっているのが、このマドマド
本店のmahisaが神戸の紅茶カフェとしては有名なのだけれど、僕にとってこのマドマドが一番使いやすく、居心地がいい。


震災以後、街並みの復興や地下鉄の開通でリニューアルするビルが多い中、マドマドのあるビルはちょっとレトロで、隠れ家のような雰囲気が気に入っている。


この日は平日の午後。
大丸前のスクランブル交差点で行われた新党改革のM添さんの演説に集まった大勢の市民と選挙スタッフ、テレビ局のクルーを横目に、マドマドへ向かった。


急な階段を上がると、ほどよい照明の店内には5人ほどの女性客が、ほぼ均等な間隔で座っていた。

本を読む人、携帯を見る人、腕を片方の腕にまいて紅茶を飲む人など・・いろいろな様が見えた。



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さっそく僕も壁際の席に着いた。
お目当ては、アイスティー。

coffee daysの管理人としては、にしむら珈琲あたりが、お似合いなのかもしれないが、梅雨時期の蒸し暑さには、すっきり冷えたアイスティーにまさるモノはない。


もう一つ、マドマドの楽しみと言えば、この店オリジナルのおやつ。
初めて来たときに体験した焼き上がったばかりのケーキの甘い匂いが今も忘れられないでいる。

この日も、ドライフルーツとナッツをトッピングしたチョコレートケーキを注文した。

甘いのは分かっていたが、すっきり冷たいアイスティーにはこのくらいビターでスイートな方が合うと思う。



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それにしても、マドマドに来てよかった。

ジャズを聴いて、美味しい紅茶を飲んで、「窓- mado-」から通りを行き交う人の流れを眺めているとどれだけ心が癒されるか・・・




●tea room madomado / マドマド
  神戸市中央区三宮町3-2-2 伊藤ビル2F TEL 078-332-7590
  open11:30~21:00





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by browns_cafe | 2010-07-03 10:17 | カフェ/喫茶店 | Comments(18)
珈琲店 ISHIHARA
散歩は楽しい。
発見があって、出会いがあって、感動があって。

そんな散歩の途中で見つけた喫茶店は、古き良き商店街の風情にしっとりととけ込んでいた。


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松原通は、かつて清水寺の参道として平安時代から栄えた通りの一つで、1200年以上もたった今も京都の庶民街としての人の行き交いが続いている。

まるき製パン所」や“うすべに”で有名な「末富」がある通りといえば、あッと気がつかれる方も多いのではないかと思う。

珍元もこの通りの近くだし、以前紹介した「カフェ・ド・ガウディ」もこの通りに近い。



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珍元に訪れたその日に、この珈琲店ISHIHARAに出会った。

ニューモードなカフェに目がいっていた頃は、全く気がつかなかったが、珍元あたりの昭和な店に馴染んでしまうと、どうやら視線そのものが“昭和フィルター”になるらしく、この日のISHIHARAは輝いていた。


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開店は平成元年。
明治の頃先々代がこの建物で小間物屋を開業し、昭和になってから煙草屋に転業したことを人の良さそうなこの店の店主・石原さんに教えてもらった。

古い町家の端正な感じを残しつつ、珈琲店として綺麗にリノベートされた店内では、近所のご老人方が楽しそうにコーヒーを飲んでいた。

窓際の席に腰を下ろすと、格子越しに通りを行き交う人たちが映像のように流れていく。


コーヒーは、小川珈琲のショップブレンド。店のウインドウにも小川珈琲のプレートが掲げてあった。
ドリップで淹れられたコーヒーは石原さんの真面目な気質を感じる透明感のある美味しいコーヒーだった。


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「美味しいですね。」と僕がいうと、
「ありがとうございます。豆が新鮮だからだと思います。お一人分でも2杯分淹れさせていただいています。この方が美味しくなるんですよ。」と笑顔が返ってきた。

僕がコーヒー好きなことを伝えると
「そうそう、先日、大阪の平岡さんへ行きましたよ。」と石原さんは奥の棚から一冊のスクラップブックを取り出した。

見事に整理されたスクラップブックには平岡珈琲のことが書かれた新聞の切り抜きが貼られてあった。

「私の唯一の趣味がこの新聞の切り抜きなんですよ。記事を集めて、いつか自分で足を運ぶ。・・あはは、こんなもんですよ」
と石原さんのちょっと恥ずかしそうな仕草にこちらも心が和んだ。


気分がいい。
社会人ならとうに定年を過ぎた年齢。むしろその長い人生経験が余裕に感じられる。

京都の庶民町も時代とともに様変わりする。しかし、石原さんのような人がいる限り、松原通の人の行き交いはきっと引き継がれていくのだと思う。



● 珈琲店 ISHIHARA
   京都市中京区松原通東中筋東入  TEL075-351-3956
   open:9:30-18:00頃
   close:火曜日




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by browns_cafe | 2010-03-20 15:08 | カフェ/喫茶店 | Comments(16)
百合珈琲
ゆらりとした昼下がり。
阪急宝塚線小林駅前のひなびた商店街を歩く。

10分ほど歩いただろうか。
ママチャリが行き交う住宅地に百合珈琲はあった。



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元は自家焙煎のコーヒー豆を売る店だったが、2年ほど前にカフェスペースをオープンした。

中に入ると狭い店内の奥には、噂に聞いていた古いROYAL製の焙煎器が見えた。
“ゴォー、ガァー”と大きな音を立てて豆が煎られていた。


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店内はいたってシンプルな造り。近所のコーヒー好きがそれぞれにコーヒーを楽しんでいた。

「いい店でしょ・・」

突然、向かいのテーブルの女性客に声をかけられた。

「ここのコーヒーを飲んだら、他のコーヒーは飲めませんよ。」

どう見ても学生風なのに、こちらが引くほどのコーヒー好きに驚いた。
自転車でやってきたから、近所に住んでいるらしい。

恐るべし、百合珈琲。



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コーヒーはしっかり2杯分楽しめる。
熱々の2杯目は、小さなポットで出てきた。

「すみれ」とネーミングされたブレンドは、浅煎りの薫り高い一杯。香ばしい匂いが、口腔に広がる。

ブレンドは「すみれ」の他、「はな」など、宝塚にゆかりのある名前がつけられている。


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店の奥に、この店を仕切っている女性の姿が見えた。

老舗のコーヒー店と聞いて職人気質のオヤジさんをイメージしていたので、ちょっと意外な気がした。そうえいば、赤い実コーヒーのオーナーが「百合珈琲の女性は凄腕ですよ。」と話してくれたのを思い出した。


百合珈琲のコーヒーは深く苦いコーヒーではない。
砂糖を入れて、舌の先で甘みを感じながら、のどの奥で香り楽しむような味わいだと思う。


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こういうジモティなコーヒーショップに出会うと、とても心が豊かになる。

街があって、美味しいコーヒーがあって、そこに語らう人がいれば、カフェ好きの蘊蓄なんてどうでもいい。



●百合珈琲
  兵庫県宝塚市高司1-8-11 TEL0797-72-0656
  open:月−金 11:00~19:30
(土〜18:00)
  close:日・祝



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by browns_cafe | 2010-02-01 20:02 | カフェ/喫茶店 | Comments(18)



  管理人ちゃありぃ
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