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ソラノネ
この日は午後から雨が予報されていたが、雲間からは太陽が見え隠れしていた。
びわ湖トリップも後半に差しかかり、時間もすでに午後4時を回っていた。

新旭の水鳥観測センターで、湖岸の風景を眺めていたら、隣で望遠鏡を覗いていたIさんが、「風がすごく気持ちいいね。」と僕につぶやいた。


風が気持ちいいね・・

実のところ、僕はIさんにいろんなことを教えてもらっている。

流星群のこと、月のこと、風のこと・・

Iさんは自分のことを「森ガール」と言っているが、彼女のひと言で、目の前にぱぁ〜っとイメージが広がることがある。




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「時間ぎりぎりやけど、畑一面のひまわり見に行けへん・・??」

僕は腕時計に目をやり、Iさんにそう告げた。




比良山系は、びわ湖を包むなだらかな山脈だが、そのすそ野には、貴重なびわ湖の自然が残されている。田んぼ、里山、広大な畑と、山の向こうに京都の街並みがあるとは到底思えないくらいの豊かな自然が残っている。


地図で“ソラノネ”の場所を確認した。

“青柳で右折し、田中の交差点まで直進・・・”
頭の中で何度も地図を確認するように車を走らせると、いつしか道路は深い山道に変わっていた。


「すごいところやね・・」

さすがのIさんも少々不安な様子であったが、風よけの杉林を抜けると、目の前に広大な畑の風景が広がった。

ソラノネ』と書いた小さな看板を目印にハンドルを切った。




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古い農家の敷地に車を寄せると、写真で見たソラノネの建物が見えた。

広大な畑、その背後には大きなカンバスのような空に夏雲がむくむくと沸き上がり、低空の巻雲がわずかに秋の気配を感じさせていた。




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ソラノネ食堂に入ると、スタッフが閉店の準備をしていた。

時間は、午後4時50分。
無理を言って、ブルーベリージュースを2つお願いした。


「どの席になさいますか・・・?」

スタッフの言葉に一瞬とまどったが、畑を見渡せるデッキに座ることにした。



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ブルーベリージュースが運ばれてきた。
一口飲むと甘酸っぱい夏の味がした。


「あぁ〜、気持ちがいい・・」

Iさんは、遠くに目をやり、そうつぶやいた。
それぞれに目の前に広がる風景を描写した。自然に言葉が出てきた。




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「すこし畑を歩いてみない?」と僕はIさんにそう提案した。

手入れの行き届いた畑には、ブルーベリーが整然と植わっていた。
Iさんはその実を一つ取って口に含んだ。


「あッ!ミツバチ・・??」

Iさんの指さした先に、せいろを重ねたような養蜂箱を見つけた。




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お目当てのひまわりは太陽に向かって一斉に花を開いていた。

「わッ〜!すごい!すごーい!!・・でもちょっと気持ち悪いかも・・」

「そういえば、サングラスを架けたバラエティショップのヒマワリみたいやね・・」と、僕は腕を上下させておどけて見せた。

思わず、Iさんと僕は顔を見合わせて笑った。



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黒々とした土、柔らかな空気と風、古い農家、濃緑の山々、そしてどこまでも青い空。

閉店時間の5時はとっくに過ぎているのは分かっていたが、いつまでもここで風を感じていたいと思った。



僕はここに来て、自然を豊かに感じ取れるIさんの感性にホンの少し近づけたような気がした。
ホンの少し“空の音(ソラノネ)”が聞こえたような気がした。



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●ソラノネ KINOKUNIYA
   滋賀県高島市安曇川町田中4942-1
 TEL0740-32-3750

   open:10:00−17:00
   close:木曜日







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by browns_cafe | 2010-08-21 00:36 | カフェ/喫茶店 | Comments(12)
vokko
楽しいことが待っているから、辛い仕事もやり遂げられる。
いつの頃からか、こんな生活が身についてしまった。

そんな日々の生活の中で
「夏休みになったら、びわ湖のカフェへ行こう・・・」と思い立ったのは、長雨が続く6月のことだった。

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さっそく、いろんな情報を頭に巡らせながら、“楽しみのストーリー”をイメージすることにした。


“大阪を8時30に出発。11時に湖畔のカフェでモーニング・コーヒー・・・”
“ランチの後は湖北のパワースポットをドライブし、大地が広がる畑のカフェへ・・・”

レストランの場所を地図で確認し、高速道路の移動時間を予想する。


作業はとても楽しいものであった。考えるだけで、わくわくした。

無理をしてボルボを買ったのも、こんな楽しみを実現したかったから。気分はもう夏の風がそよぐ、びわ湖に向かっていた。




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vokkoは、びわ湖の畔にある雑貨店を併設したカフェである。
彦根ICから湖岸道路を南下し、道路を少し脇に入ったところにあった。

広い駐車場の奥に1950年代の古いフィアットを見つけた。


「きゃッ!ステキ・・」

この日、無理を言ってついて来てもらった助手席のIさんの声に、僕も一気にテンションがあがった。


小さな“おうち”のような店舗は見るからに居心地が良さそうだった。
屋根の上には草が茂っていた。


デッキの奥にあるドアを開けて中に入った。

白く塗られた壁に日差しが美しく差し込む店内には、雑貨に混じって、アンティークの道具などがさり気なくディスプレイされていた。



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カウンターの奥で準備をしているショートカットの女性と目があった。

「こんにちは。素敵なお店ですね・・・」
「少し雑貨を見たいので、先にコーヒーをお願いしていいですか?」

そう言って、メニューの中からヴォッコブレンドのアイスコーヒーを注文した。

コーヒーは鳥のイラストが印象的な赤い実コーヒーの豆が使われていた。



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カフェスペースは、カウンター席とテーブル2脚だけのミニマムなもので、湖畔を眺める窓際には2人架けのソファーが設えてあった。

この席は一等席に違いないが、僕たち2人は店内と湖畔の両方を見渡せるテーブル席に着くことにした。



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「エアコンなのに、自然の風がながれているみたい・・・」
Iさんがそうつぶやいた。

「そうでしょ・・いつもはガラス戸をオープンにして自然の風を楽しんでもらってるんですよ。」とお店の女性がうれしそうにそう話してくれた。



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香ばしい香りの立つアイスコーヒーを飲みながら、滋賀のカフェのこと、大阪のカフェ情報など、お店の女性とどんどん話が広がっていくのが楽しかった。



時間はお昼に近づいていた。
カフェを出て、Iさんと浜辺を歩くことにした。

「ネリーちゃんをつれてくればいいね。」

家で留守番をしている愛犬ネリーのことを思いながら、僕は小さくうなずいた。


2人で浜辺を歩く。
びわ湖から流れる風が心地いい。
遠くに水遊びする子供たちの歓声が聞こえる。

vokkoはそんな旅のカフェとして、心地よい風をまとって素敵な想い出を作ってきたに違いない。


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次の日、Iさんからメールが届いた。
「ワタシも写真ほしいです。いつまでも忘れたくない風景だから・・・」

彼女のひと言こそ、この vokkoにはふさわしい。



●vokko / ヴォッコ
  滋賀県彦根市柳川町207-1 TEL 0749-43-7808
  open:11:00~19:00
  close:木曜日





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by browns_cafe | 2010-08-14 10:40 | カフェ/喫茶店 | Comments(14)



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