昨年はコーヒーのニューウェイブが気になった一年でした。コーヒーと音楽、コーヒーとインテリア...そんなコラボな感じがとても新鮮で、コーヒーの美味しさはもちろんのこと楽しみ方がぐっと身近なものになったような気がします。
新年初レポは、40年前に京都の嵯峨野にオープンしたニューウェイブなコーヒーショップです。 コーヒーショップヤマモトが右京区嵯峨野に店を開いたのは今から約40年前のこと。清滝に続く釈迦清滝道と新丸太町通が交差する広い道路に面してその店はある。 外観は洋食のレストランみたいな感じで、玄関横の目隠しに植えられた樹木の大きさがこの店の長い歴史を物語っていた。 スリット状にガラスの入った扉を開けると、すぐ右手にはコーヒーの豆を入れるショーケースが置かれている。ショーケースと言っても木製の書棚のような感じで、ガラス窓の付いた引出しに20種類ほどの銘柄の豆が詰まった姿はなかなか美しい。焙煎されたコーヒー豆の艶やかな光沢はあたかも宝石のように思えてくる。 店内は、ホテルのサロンのような重厚感があり、このあたりの設えは新しいカフェでは決して味わうことはできない。一方、入り口横に仕切られたスペースには3脚ほどのテーブルが並んでいて、窓から光が差し込むのんびりした雰囲気になっている。 この日は一人だったので、窓際の席に腰を下ろした。 ゆるいジャズのBGMが流れ、上品な大人の喫茶室という印象である。 メニューは純喫茶並みに充実していて、スペシャルティコーヒーの他フルーツサンド、フレンチトーストなども選ぶことができる。コーヒーは自家焙煎の「特選ブレンド」が520円。値段が少々高いのが気になったが、とりあえずオススメの「特選ブレンド」を注文した。 しばらくするとノリタケの高級なカップに入った「特選ブレンド」が運ばれてきた。角砂糖はスプーンの上に2個。開店当時からの出し方なのだろう。 さっそく香りを嗅いで一口飲んでみると甘く濃厚な味わいが口の中に広がった。苦さよりより甘さが際だつ。奥のサイフォンが見えなかったら、ドリップで抽出されたと思ってしまうような濃厚な味わいである。 なるほどこれなら一杯520円もうなづける。この濃厚さからすると丁寧に焙煎されたたっぷりのコーヒー豆で抽出しているに違いない。 ブランチ代わりに注文したトーストも美味しかった。4種類のジャムやハチミツのミニパックがセットで出てくるのもうれしい。ふんわりした山食にバターとハチミツがとてもよく合う。ジャズのBGMを聴きながら、濃厚なコーヒーを味わうのは何とも贅沢な気分になる。 時間もほどほどなので、カップのコーヒーを一気に飲み干し、舌に絡んだハチミツを流し込んだ。“何ておいしいんだろう...”そう心の中でつぶやいて僕の正月喫茶は最高のものとなった。 帰り際マスタアと目があったので、「素敵なお店ですね。コーヒー、とても美味しかったです。」とお礼を言うと「そうですか。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」とにっこり頭を下げられて恐縮してしまった。 自家焙煎のコーヒーショップはたくさんあるが、この店のマスタアの目指すコーヒーが僕には一番身近に感じることができた。 今どきのコーヒーショップのオーナーが自分のスタイルで店を出しているように、このマスタアも開店当時からずっとコーヒーとの関わりを楽しんでいるように思えてならない。 コーヒーショップヤマモトでまたぼくの理想とする喫茶店が見えてきたようなする。今年は正月から縁起がいい。 ●コーヒーショップ ヤマモト 京都市右京区嵯峨天龍寺瀬戸川町9 TEL 075-871-4454 午前9:00- 午後9:00 たぶん無休 #
by browns_cafe
| 2008-01-13 16:01
| カフェ/喫茶店
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by browns_cafe
| 2008-01-01 17:24
| 雑記/misc.
今年も残すところ、あと2日...
いつものように部屋を片付けるのだけれど、思わぬところから買ったままの本や雑貨が出てきてなかなか片付けが進まないってことないですか?? こんな時にかぎって面白い本が出てくるものです。(笑) ●1冊目は「東京クラシック地図」 Amazonで見つけて、内容も確認せずに買ってしまいました。散歩の達人ブックスはいつも気になるんですよ。今回もサイコーでした。 東京の名曲喫茶が、美しい写真と共に紹介されています。 渋谷のライオン、阿佐ヶ谷のヴィオロン、高円寺のネルケンが泣かせますね。 散歩の達人ブックスのシリーズには他にも「東京おさぼり喫茶」「東京古本とコーヒー巡り」などが発刊されていてこちらもオススメです。 クラシックとコーヒー。ほんとは教えたくない隠れ家な気分を味わえる貴重な一冊です。 ●2冊目は、今井智己さんの写真集「真昼」 今井さんは東京芸大卒の写真家で2001年にこの写真集でデビューされました。ぼくが初めて今井さんを知ったのは、ホンマタカシさんら13人の写真家がEU全25カ国を撮りおろした写真集『In-between』でベルギー・リトアニアを担当されたとき。感情を廃したような風景の表現手法に驚いた記憶があります。 この「真昼」も見過ごしてしまうようなありふれた風景から微妙な気配や余韻を感じさせる素晴らしい感性の作品だと思います。 興味を持たれた方は、今井さんのブログtomologを覗いてみてください。 真昼(Mahiru)は、menu>>「phograph」で見ることができます。 http://sky.zero.ad.jp/tomoky/ ●3冊目はご存じBRUTUS、その名も「ギター愛」!! 男子にとって「ギターを弾けること」はカッコ良さの原点ですよね。伝説のギタリスト達は僕たちの永遠のヒーローです。 ●最後は、沙月さんに教えていただいた“あまから手帖”の「ザ・昭和」特集。 “あまから”という言葉も“手帖”という書き方も昭和を感じさせるものでしたが、とうとうやってくれましたね。一年の締めくくりに相応しい一冊です。 昭和は決して過ぎ去った過去の時代ではなく、未来を示唆する素晴らしい時代であったことが再認識されます。 #
by browns_cafe
| 2007-12-30 01:37
| 写真・アート・books
今日は12月24日、クリスマス・イヴ。ようやく仕事から解放されて、にわかクリスチャンへ変身を目論んでいるところです。みなさんのイヴのご予定はかがですか??
ちょっと背伸びをしたくなるのが、クリスマスの気分ですよね。そんなイヴの日にちょっと気になるウイーンスタイルのカフェのお話です。 JR環状線の玉造駅から西側周辺は最近注目のエリアで、フレンチレストランやオーダー家具、スイーツショップなど、隠れ家的な店が点在している。坂があり、神社があり、学校があり...ありふれた日常の風景なのだけれど、この場所の歴史の蓄積みたいなものが日常の風景に“隠れ家の存在”を上手く共存させているような気がしていた。そんな玉造の雰囲気にぴったりと溶け込んだコーヒーショップがWiener Roseである。 場所は乙女の学舎が連なる山の手の一角、カトリック系の女子校として名高い城星学園のすぐ前にある。歩道を歩いていても、カフェがあることなど全くわからず、店の前にぽつんと置かれた小さな看板だけが目印になっている。 木製の大きなドアは一見では少々入りにくいが、壁に飾られた小さなプレートやオーナメントはとてもフレンドリーで、優しく穏やかなイメージを感じさせる。 さっそく店内に入ると目の前にコーヒー豆の焙煎機があり、小さなショップスペースではコーヒー豆とオリジナルの焼き菓子が売られていた。 奥のカフェスペースは床を一段上げ、ショップからの視線も上手く遮り、プライベートなカフェタイム楽しむための配慮がなされている。5人ほどがかけられるカウンター席と4人掛けのテーブル3脚のミニマムなスペースだが、壁を白くすることで広々と見え、清潔感もあってとても落ち着くことができる。ちょっとしたフレンチのレストランのような雰囲気である。 コーヒーはオリジナルブレンドからスペシャルティーコーヒーまでいくつかセレクトされているので、その日の気分でコーヒーを選ぶのも楽しい。 オリジナルケーキにも力を入れていて、レシピにもこだわった本格的なスイーツを味わうことができる。定番のザッハトルテはチョコレートを扱うため冬限定になっていて、季節によって手に入る果物を使った手のこんだケーキが期間限定で提供される。 オリジナルブレンドのコーヒーは何かホッとする一杯で、とてもやさしい印象を受けた。ザッハトルテも絶品で、「コーヒーでスイーツ」というウイーンあたりのカフェの楽しみ方がこの店のイメージしているところなのかもしれない。 注文したザッハトルテがあまりに美味しかったので、帰り際ケーキの感想をお店の人に伝えたら、オーナーの奥さんらしき人から「ぜひ、また足をお運びくださいね〜(熱!)。」と烈々なオファーを受けてしまった。少々気恥ずかしかったが、こんな会話ができるカフェは大好きである。 このコーヒーショップは、カフェ好きの友人を案内するときっと喜ばれるに違いない。コーヒーでケーキというスタイルに馴染みがなかったカフェ好きには是非ともオススメしたい店である。 ●Café Wiener Rose カフェ・ヴィーナローゼ 大阪市玉造2-25-18 TEL:06-6167-9488 open :am10:00- pm7:00 close :wednesday (追記) 今日はクリスマス・イヴ。 都会の喧噪を避けて玉造の山の手を散歩するというプランはいかがですか? ついでに、いもせさんでお蕎麦を食べ、Wiener Roseさんで美味しいコーヒーとケーキをいただき、目の前にある玉造カトリック教会で聖夜に祈りを捧げるというというのは、意外性あり、サプライズありで絶対ステキですよ。コンパクトだし、お金もかからない。 いやはやあまりのグッドアイデアに絶句でございます。(笑) フレンチのディナーに飽きた向きには案外新鮮でいいかもしれませんね。 ややや!これは絶対シブいですよ!シブ過ぎますー!!!(笑) ではではお後がよろしいようで! みなさま。すてきなクリスマスをお過ごしください。 Merry Christmas !! (追記2) 今年の12月は大忙しの毎日でルミナリエも行けずじまい。やけくそで街のイルミネーションをアップします。ついでに同僚のネイルアートもクリスマスバージョンで... #
by browns_cafe
| 2007-12-24 13:41
| カフェ/喫茶店
コーヒーショップの重要なテイストの一つに音楽があると思う。コーヒーの主産国が南米で、そこで流れるボサノバは、まさにコーヒーを美味しく飲むために生まれたブラジルのコーヒー音楽に違いない。
女性ヴォーカリストが口ずさむように歌うムーンリヴァーを聞きながら飲む、香り高いコーヒーは最高に美味しかった。あちこちのコーヒーショップを巡っているが、行く度にぼくの中のカフェ・ランキングが入れ替わっていく。 阪急豊中駅からちょっと離れた場所にあるチッポグラフィアは、ぼくの予想を裏切るほど新鮮でシンプルで、とっても居心地のいいコーヒーショップだった。 阪急豊中駅から歩いて10分ほど。古い商店街を抜けると道がいくつもに分かれて、ゆるやかな坂の続く住宅地へと変わる。豊中稲荷神社を左手に少し行くとカフェらしき三階建ての建物を発見した。表がガラス張りになっていて自分の姿が映り込むのを避けながら、そしらぬふりをして中を覗くとレモンイエローに塗られた大きな焙煎機が見えた。 店内は、天井が低く、奥に長い日本家屋のスタイル。白く塗られた壁にセンスのいいインテリアがよく映える。奥がカフェスペースになっていて、ショップ部分から続く長いカウンターで仕切られている。 カウンターの奥には、L'ESPRESSO "QUELLO BUONO" SI BEVE SOLO AL BARと誇らしげに書かれたエスプレッソマシーンが置かれていて、まるで映画のワンシーンのようなカッコよさである。 フロアにはテーブルが3脚、カウンターに椅子が5脚のミニマムなカフェスぺーズだが、無駄なモノがないので、とてもリラックスした気分になる。壁一面にはジャズやボッサのCDがびっちりと並び、さながらジャズ喫茶のコレクションのよう。JBL4312Bのスピーカーからは、音量を絞ったゆるいボサノバが流れていて、脳の中にα波が流れまくる。 メニューもオーナーのこだわりか「ボコタで朝食を」「ふわふわ雲のカプチーノ」「水彩画のミルクコーヒー」などのコメントが書かれていた。 とりあえず、今日のオススメから”イルガチェフのモカ“を注文した。 少しするとドリップしたサーバーでコーヒーが運ばれてきた。テーブルに人工芝のような緑色の大きなコースターとこれまたおおぶりのカップが並べられ、なみなみとコーヒーが注がれていく。脇にはソルトピーナッツが添えられてセット完了。早速、一口コーヒーを口に含むと、甘いモカの香りが広がった。 スペシャルティコーヒーに使われるALESSIのカップはマグのような大きさで、ブレンドコーヒーにはブラジル国旗の入ったこちらもおおぶりのカップが用意される。 帰り際、大きなコーヒーカップの理由を聞いたら「コーヒーはいっぱい飲みたいじゃないですか!」とオーナーから満面の笑みでそう返ってきた。 コーヒー好き、音楽好きの友人宅に招かれたような気分で、何とも後味がいい。 ちなみにTIOPOGRAFIAとはポルトガル語でタイポグラフィーのことのこと。ブラジルを愛し、音楽を愛するオーナーの美味しいコーヒーを楽しみたいという思いがこのカフェにはいっぱい詰まっている。 現在、オススメ度No.1 サイコーです。(笑) ●Cafe do BRASIL TIPOGRAFIA 豊中市本町6-7-7 TEL:06-6849-6688 open :am11:00- pm7:00 close :monday #
by browns_cafe
| 2007-12-09 11:52
| カフェ/喫茶店
|
by browns_cafe
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