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イノダコーヒ
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 京都の喫茶好きにとって、イノダコーヒからの脱却は、一種の踏絵みたいなものと思っていた。

 「京都で一番すきな喫茶店はどこですか?」なんて質問されると、頭の中では「イノダコーヒ三条店」と浮かんでいるのに、口では「茂庵とか進々堂ですね。」と無理やり答えてしまう。
 最近のイノダコーヒはいつ行っても観光客で一杯で、平日ならともかく、土日でゆっくり喫茶を楽しむ雰囲気はない。
 そんな世間のイノダ信仰に、自分は違うんだ!みたいな、つまらない意地があって、それがプレッシャーになるというジレンマに陥っていた。

e0113246_2182567.jpg 久しぶりに行った堺町のイノダコーヒは案の定一杯だったが、一人であることを告げると入り口横の狭い喫茶室に通された。紅い椅子に腰を降ろし、ブレンドコーヒーを注文すると、コーヒーはすぐに運ばれてきた。手際よくならべられた縁の厚いカップやイノダマーク入りのミルクピッチャーを眺めていると、ああこれがイノダのコーヒだなんて思ってしまう。
 口にしたコーヒーは甘味があり、ほど良い苦味が何とも美味しかった。後味もよく、次回もイノダにしようという気持ちにさせるコーヒーである。

 なんだかんだと生意気なことを言ってはいるが、ぼくには当分イノダの踏絵は踏めそうにない。やっぱりイノダは美味い!
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# by browns_cafe | 2007-01-26 21:19 | カフェ/喫茶店 | Comments(6)
白鷹酒造見学会
先週の土曜日のことになるが、西宮にある「白鷹酒造」の見学会に参加した。
知り合いが企画した見学会で、広告関係やデザイナー関係の人が多く、フードコーディネイターの人も何人か参加されていた。

集合場所の阪神西宮駅周辺は震災の被害が大きく、12年経った今でも看板にように張り付いた古い店舗の裏側はすべて空き地になっていた。
少し歩くと、西宮戎神社が見えた。あのスタートダッシュで有名な戎神社である。みんな一様に「参拝するときは、走っていくのかな??」と、はにかみながらしゃべっているのが可笑しかった。
43号線を超えると、酒造関係の工場の看板が目に映る。この辺りは灘五郷と呼ばれる江戸時代からの酒どころで、全国への出荷量も多いらしい。
これまで車でしか通過したことがなかったが、酒ミュージアムや宮水発祥の地なども整備されていて、散歩道としても楽しめるようになっていた。
少しいくと左手にアンリ・シャルパンティエの本社がある。直線と曲線から構成されるモダンな建物はおしゃれでカッコいい。お菓子作りと共通するコンセプトを感じる。一階にはショップもあり、ここでしか買えないスイーツもあるらしい。

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目的の「白鷹禄水苑」は通りに面する瓦葺の建物で、震災以後に新築されたようであった。伊勢神宮に奉納する御神酒の関係で天皇家もこちらで食事をされたらしい。中に入ると、ダウンライトの渋いインテリアで、奥には釜戸が復元され、酒バーや酒にまつわる肴や銘酒が並べられていた。
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見学ツアーは一旦2階のホールで説明を受け、15分ほどのビデオを見てからのスタートとなる。
机の上に、オムツカバーみたいなビニールのカバーが置かれてあり、一同怪訝な表情を浮かべていたが、聞けば、食品工場ゆえ、足元と頭を養生するためのものであった。

裏庭の酒蔵は資料館になっていて、柔和な語り口がとてもフレンドリーなオジサンの解説が始まる。軽快な語り口に、オジサンの酒が好きで会社を愛する姿勢が感じられて、高感度が一気にアップ。酒は生き物ゆえ、真冬に仕込み作業が行われる理由がよくわかった。
一通り見学すると次は道路を挟んだ、工場へ移動。入り口のエレベーター前で、オジサンの掛け声とともに、みんなもじもじしながら頭にカバーをかぶると、思わず笑い声が上がった。みんな携帯やデジカメで即発の撮影会で賑わう。大手広告会社の大物ディレクターも小学生の遠足みたいにはしゃいでいて、和むこと和むこと・・・(笑)

まずエレベータで4階に上がり、麹の仕込みや発酵などの工程について説明を受ける。
真っ白な酵母の発酵層では、決して落ちないようにと注意があった。何やら醗酵の際に、大量のメタンガスが発生するそうで、落ちたら即死とのこと。以前、層にダイヤモンドのイヤリングを落とした人がいたみたいで、こちらも注意があった。現場が工場ながら酒造りの手順は江戸時代から変わっていないため、ひんやりとして底冷えがする。

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一階まで下っていくと、ようやくお待ちかねの試飲コーナーとなる。
火入れやアルコールの調整がなされていない、生原酒が大振りの茶わんで振舞われた。た。お酒は強い方でないが、この美味しさはわかる。さわやかで味が濃い。口当たりがとてもいいので参加者は次々とお代わりをしていた。おじさんによると、頭はすっきりで足にくる酒なのだそうだ。要注意。
出口では、見学者限定として一本1500円で販売されていた。みんな次々に予約していた。見学日によっても試飲できるお酒は違うみたいで、酒蔵の見学は貴重なお酒が味わえる日を選ぶことをオススメしますと、案内の人が言っていた。

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時間すでに5時を回っていて、2階のホール戻ると3種の肴と冷酒が用意されていた。
初対面の人が多かったが、ほろ酔い気分でいろいろ交流できてとても楽しい見学会となった。

http://www.hakutaka-shop.jp/event/kengaku.html

一旦ここでお開きとなったが、この見学会をセッティングした友人の仕切りで、近くの居酒屋で飲み会へと移動。こちらも初対面の人ばかりで少々びびっていたが、白鷹の娘さんやUSJのディレクターさんも参加して楽しいこと、楽しいこと...前向きな飲み会は大事ですね。
ちなみにこの日の飲み会は、和風創作料理「たいのたい」。小さな店ですが、路地奥みたいな雰囲気でとても居心地いいです。酒造関係の店ゆえ、魚の美味さは絶品でした。こちらもどうぞ、オススメです。

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# by browns_cafe | 2007-01-23 23:16 | 街歩き/神戸方面 | Comments(2)
港 千尋展
桜橋のニコンサロンへ港千尋写真展を見に行った。
港氏といえば、以前、カメラ雑誌に南米を撮り歩いた写真が特集されているのを見て、その湿度の高いモノクロのスナップに驚いた記憶がある。
会場に貼られた略歴にも1982~85年までアルゼンチンのガセイ奨学金を受けて南米各地に滞在したことが記されていた。

写真は、アート系の大型写真ではなく、ヨーロッパ各地で出会った風景と人々が水平な視線の小型のカラー作品として収められていた。一見、旅の紀行的スナップのようなさりげない絵ではあるが、不思議な無国籍感が面白かった。

写真展には「市民の色 chromatic citizen」というタイトルがつけられていた。
港氏のコメントによると、クロマ=色という意味の他に、音楽で言うクロマチック=半音階という2つの要素が込められているとのこと。
都市がみんな同じように変わっていくことに対して、クロマチックな部分に込められた「本音」の写真と言われれば、正にそんな風景に見えてくるからすごい。

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http://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2007/01_osaka-2.htm
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# by browns_cafe | 2007-01-21 16:12 | 写真・アート・books | Comments(0)
my coffee days
長い間、カフェのサイトを運営してきました。でも、ある理由から、ここ2年ほど更新していません。
サイトのカフェレポはもはや標本のように瞬きしませんが、ぼく自身、気がつくといつもカフェで一息ついていました。
サイトは更新しない。でも居心地のいいカフェへ行きたい。そんな気分が増すばかりでした。

1990年代に出会ったカフェはいつも発見があってとても楽しいものでした。
そして昭和喫茶を見つけることの感動。それが、ぼくの街歩きの最大の楽しみでした。

ぼくがイマドキのカフェに不満を感じているとしたら、それはぼく自身に問題があることは自明です。たぶん望むものが多すぎるのだと思います。

そんな時に出会ったのが、一杯のコーヒーにこだわる喫茶店です。ネルドリップで丁寧に煎れられた琥珀色のコーヒーはとても美しく、大人の飲み物に思えました。

「えっ?カフェ好きなのに、今ごろコーヒーってね?」と思われるかも知れませんが、そんなもんですよ。コーヒー通が、きな粉ミルクのあるカフェへ行かないようにね。



このブログはコーヒー通のためのコミュニケーション・ツールではありません。そうなればうれしいですが、ぼくは決してコーヒー通ではないからです。

一つ言えることは、昭和喫茶とぼくが好きなカフェをつなぐものが、コーヒーではないかと思える事です。

これからどんなコーヒーと出会えるか、とても楽しみです。人生の句読点に欠かせない一杯。そんなコーヒーに出会いたいものです。

BROWN'S CAFE http://www.hi-ho.ne.jp/jan23/
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# by browns_cafe | 2007-01-14 18:11 | 雑記/misc. | Comments(0)



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