喫茶むらかみ
たまに昭和喫茶へ行きたくなることがある。
そんな時、どの昭和喫茶に行くか、あれこれ考えるのは楽しい。 思い立ったのが、今里にある「喫茶むらかみ」。紺地に白く『喫茶』と染め抜いた粋な暖簾の架かる喫茶店である。 地下鉄今里駅を降りて、昭和の雰囲気を残す「神路銀座」を東へ向かう。 たこ焼き、お好み焼きの匂いが商店街のあちこちに漂っている。それにしてもこの街には粉ものを売る店が多い。 お目当ての暖簾を見つけた。昭和喫茶を巡っていた頃、この暖簾を何度写真に収めたことか。 使い込まれた両開きの扉を開けて中に入ると、年配の女性が店の人と話し込んでいた。 喫茶むらかみが開店したのは、戦後まもない昭和20年のこと。初代が広島から出てきて、黒崎町で牛乳屋を営んでいたことなどを気のいいこの店のおばちゃんが話してくれた。 暑い日だったので、“冷コー”を注文した。 試しにフレッシュを入れてみた。高校生の頃、フレッシュをかき混ぜるか、そのまま飲むかで議論したことを思い出して可笑しかった。 喫茶むらかみではコーヒーを注文すると、おやつを一つ選ぶことができる。 小さなバスケットから“源氏パイ”を選んだ。 これで280円。 買い物途中のお客さんが「また後で来るわな〜」と手荷物を店に預けていった。この街ならではの使い方があるらしい。 帰り際、話し好きのおばちゃんの事を尋ねてみた。 骨折して入院した後、今は施設に入っているとのこと。 こう話してくれたのは、おばちゃんの娘さんだった。 長い間この店を切り盛りしてきた話し好きのおばちゃんは引退されたが、店は、娘さんが守っておられるのが分かってウレシかった。 店を出て、もう一度“暖簾”を写真に収めた。 ●喫茶むらかみ 大阪市東成区大今里2-34-19 TEL06-6971-8746 open:朝から夕方まで close:不定休
by browns_cafe
| 2009-05-17 14:09
| カフェ/喫茶店
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