カフェ バーンホーフ 福島店
最近、美味しいコーヒーと聞くだけで、体が反応するようになった。まるでパブロフの犬になった気分である。この現象は食後にコーヒーが飲みたくなるという生理的なものではなく、ストレス解消のための買い物や女性のスイーツのやけ食いみたいに、精神的に満たされたいという感じがどうやら作用しているような気がする。 野田にあるカフェバーンホーフは、こんな症状を治療してくれる数少ない喫茶店で、ぼくにとっては主治医みたいな存在になっている。 JR野田駅周辺は少し歩くと、町家、長屋、卸売市場、倉庫・蔵などが点在し、下町の雰囲気が今も残っている大阪でも貴重な場所である。梅田からも徒歩圏内ゆえ、隠れ家的な名店も多く、このあたりの店を知っていると通な気分になることができる。 カフェバーンホーフは、こんな野田駅前からほど近いJR環状線の高架下に店を構えている。地図を持っていても野田駅からだと信号を二つも渡ることになるので、初めての人は本当にこんな場所にカフェがあるのかと不安になるらしい。 店構えは通りには面しているがそれほど主張性がなく、街並みにすっかり溶け込んでいる。表からは焙煎スペースを照らすシェードの付いた照明がラボみたいでカッコいい。 ドアを開けて中に入ると、店内は奥に長く、左手にコーヒー豆のポットをずらりと並べたカウンター厨房、右手はテーブル席になっている。高架下のスペースを活用しているため、通りの反対側もガラス張りで見通すことができ、自然な光の差し込みが美しい。 中ほどのテーブルにつくと、ストライプの入ったハンチングが似合う女性スタッフが注文を取りに来た。もう何度もこの店を使っているが、その都度、“今日のコーヒー”をあれこれアレンジするのがぼくの定番となっている。 この日は猛暑ゆえさっぱりモノをということで、一番炒りが浅く苦味の少ない「キューバ」を注文した。メニューを見ると、“カリブ海系最高級のコーヒー”と解説がされていた。 出てきたコーヒーは艶のある透明度の高いもので、思っていたほど酸味も強くなく、ぼくが好きな「珈琲道」のブレンドに感じが似ていた。バーンホーフ・ブレンドも最近流行りのコーヒーもどちらかというと深く炒って濃く抽出するタイプなので、この位軽く香りのあるコーヒーはある意味新鮮で、ぼくの好みに合っているように思った。 追加の水をお願いしたついでに“今日のコーヒー”の感想をスタッフに言うと、即座に「やっぱり淹れるときの温度が大事だと思います。うちはきっちり82度で抽出しています。それと豆の鮮度ですね...」と返ってきた。 この店の魅力は、美味しいコーヒーなのだけれど、それ以上にスタッフの接客や店作りにコーヒーを楽しむためのこだわりがあることだと思う。 “電車に乗って。空いた時間を選んで。お気に入りの本を持って。” そんなこだわりでコーヒーを楽しみたい方は、ものは試し、ぜひ一度足を運んで欲しい。 *カフェバーンホーフ福島店 大阪市福島区吉野1-14-8 TEL 06-6449-5075 8:30-20:30
by browns_cafe
| 2007-08-26 22:34
| カフェ/喫茶店
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