マヅルカ
秋も深まってきましたね。
久々に渋めの昭和喫茶のレポです。 最近、風俗系の店が目立ち始めた阪急中通り商店街にある「マヅルカ」は、カウンターだけの小さな喫茶店である。薄暮色のガラスには、バラの透かし模様が刻まれていて、昭和の雰囲気が色濃く残っている。 マヅルカは道頓堀にあった本店からの暖簾分けで、昭和38年、この場所で本格コーヒーの店としてオープンした。内装は、喫茶店など施工したことのない大工が、試行錯誤を重ね、2ヶ月以上もかかって造りあげたのだそうだ。 名栗の縁取りと大理石を刷り込んだメラニン樹脂の壁面が時代を感じさせる。コーヒーは開業以来自家焙煎にこだわっていて、入荷した豆は10kgごとに米袋に入れて階段下に積まれている。 「コーヒーを淹れさせたら誰にも負けへん」と30年以上この店を仕切ってきた初代マスタアは、数年前に他界されたが、その技術と心意気はそのしっかりと2代目に受け継がれている。 ネルドリップで抽出されるコーヒーはコクがあってマイルド味わい。白いノリタケのカップに映る深い色合いも当時のままに違いない。 コーヒーが280円。たまに小腹がすいた時に注文する100円也のトーストは耳がカットされて出てくる。これも「耳を残されるとネズミがかじったみたいで汚らしい。」という先代からのこだわりなのだそうだ。 この店で一人コーヒーを飲んでいるといろんな人がやって来る。 「社長!何しましょ。」「熱いの?ひやこいの?」 『ほんなら熱いので...』 張りのある大阪弁と目配せの絶妙のタイミングでこの店は成り立っている。いつまでもスタイルを変えることのない時間の止まった喫茶店には、今も昭和の人間関係が息づいている。 ●マヅルカ 大阪市堂山町16-11 06-6311-4809 ほぼ7:00~19:00
by browns_cafe
| 2007-10-25 22:46
| カフェ/喫茶店
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